2009年6月3日水曜日

ジョセ・ジーベン・R・セギの卒業演説

一つになろう、誰一人欺くな

3人の工事請負人がホワイトハウスのフェンスのちょっとした修理に対して値をつけている。1人はアメリカ人で、もう1人はメキシコ人、そして最後の1人はもちろんフィリピン人である。彼らはホワイトハウスの役人とフェンスを調べに行く。アメリカ人の請負人は巻尺を取り出していくらかの測量を行って数字を弾き出す。「ええー」彼は言う「この工事は900ドルになります。400ドルが材料費、400ドルが私の従業員への支払い、そして100ドルが私の儲けです」。メキシコ人が今度は測量を行って言います「私ならこの工事を700ドルで請け負います。300ドルが材料費、300ドルが私の従業員への支払い、そして100ドルが私の儲けです」。フィリピン人は自分の顎をいじり、ホワイトハウスの役人に寄り沿って囁く「2700ドル」。役人は不信に満ちて言う「何だって?そんな値段で行う修理を私がどう思うと思っているんだ?だいたい君は測量も何もしてないじゃないか!」。「簡単なことですよ…」フィリピン人は説明する、「1000ドルがあなたへの賄賂、1000ドルが私の儲け、そして(残りのお金で)メキシコ人を雇いましょう」。翌日、フィリピン人は(このことを何も知らない)メキシコ人と一緒にフェンスの修理をしている。

私がこのジョークを最初に聞いたのは3年以上前です。高校を出たばかりで、希望に満ちて目を大きく見開いた新入生の頃で、このジョークをとてもおかしく思いました。このジョークを聞いて、私はフィリピン人であることを誇りにさえ思いました。私は思ったのです「フィリピン人ってすげえ!俺達は計算が得意なだけでなく抜け目ない!(Hanep talaga ang mga Pinoy! Magaling na mag-add, ma-utak pa!)」

しかし4年間のフィリピン大学での生活と現実がもたらす数え切れないほどの苦労は人のものの見方を変えるものです。最近このジョークをまた読んだとき、これを面白いとは思いましたが、誇りに思う代わりに、やりきれない気持ちと恥ずかしさを感じました。この類の不誠実さは私たちの国で実際に起こっていて、それもより大きな規模で起こっているのです。

このジョークは私たちフィリピン人が持っているいまだによく見受けられる悪い態度を暗に言い当てています。母はこれを「誰かを欺くためにみんなが1つになる(mang-iisa-kung-magkaka-isa)」態度と呼んでいます。この態度は高位の政治家に見られます、彼らはより明るい将来とより良いリーダーシップについて壮大な約束をしながらいったん当選してしまえば議員室で、自分たちの利益を人々の福祉よりも優先するのです。よく路上で目にする交通整理官もあいまいな交通標識につけこんで自分たちの「おやつ代(pangmeryenda)」を(ドライバーから)取り立てます。もしくは私たちビコール人が呼ぶところの「相手をわざと混乱させて金を取る(libong libong pabor)」にこの態度を見ることができます。「ねぇきみ」一人の男がその友達に言います「きみボクにお金を借りてたよね?」「覚えてないな。いくらだっけ?」友達は尋ねます。「100ペソじゃなかった?今週払うって言ったよ」。「ああーわかったよ」、「100ペソだよね」と確認して友達は払います、それが本当は150ペソだったと知っているのに…このように、彼らはすでに友達なのに、そうではないのかも知れません。(Biro mo, magkaibigan na iyon; lalo na siguro kung hindi.)

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